
- クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限定生産2枚組)
- りょう, 内田有紀, 蒼井優, 宮藤官九郎, 松尾スズキ
- 角川エンタテインメント 2008-03-19
by G-Tools , 2008/08/10
2005年の芥川賞候補になった松尾スズキ自身の小説が原作。
主役の内田有紀にとっては復帰後いちばんの大きな仕事だと思うのだけれども、人間臭すぎる主人公・佐倉明日香を見事なまでに演じきっていて実に楽しめる作品にしてくれたと思う。
本当、「うっとうしい女」の汚れ方・壊れ方においては完璧だと言えよう。「嫌われ松子の一生」の中谷美紀とは全く違う、リアリティある壊れ様がいい。
もう本物の役者になったっていう感じだな。
コメディで劇中ほとんど笑いっぱなしなのは1980年代からの小劇団のトレンドなんだろうか?と私は思っているが、この作品のように深くてせつなくてさわやかでetc...というような複雑なものを完璧に創りあげられた作品ならば、決して笑っているだけのムダということにはならない。
そんなところが多くの人々に指示される松尾スズキのセンスの良さなのかも。
「とにかく楽しく生きて社会にまともに適応できない人生」と「楽しくなくともともかく受け入れて社会に適応した穏やかな人生」との2極の間を揺れ動くさまを、種々雑多な人生をこれでもかというほどたくさん見せてくれる。
あとは観てくれた人がどのように感じるかだ。
キャスティングがとにかくすごいメンバーなのだけど、一体どうなっちゃうんだろうかと思わせるような期待を持たせてくれる。
ここで、たくさんいるすごいキャストの思いついたところをピックアップしてみる。
期待通りの人たち
同棲相手の鉄雄役:宮藤官九郎
ステンレスの様にクールなナース:りょう
過食症の胡散臭い患者:大竹しのぶ
拒食症だが精神的には問題がないのに入院している仲間:蒼井優
そこにいるだけで立派な患者:箕輪はるか
女には見えない女医:徳井優
点滴器具で頭を直撃され骨折する医師:庵野秀明(まいど)
サプライズな人たち
鉄雄の弟子で元チーマー:妻夫木聡(エンド・クレジットが出るまで妻夫木だという認識はなかったなぁ)
明日香の元夫:塚本晋也(存在の地味な演技はさすが。おでこの後退が味わいをますます深めてきた)
新発見
佐倉明日香:内田有紀(前述どおり)
クロネコやまぎしナース:平岩紙(この人、何かスゲー)
同室の患者・栗田:中村優子(存在感あり)
内科医:河合克夫(漫画家にしては演技うますぎ。大人計画には参加しているそう)
松尾スズキワールドはこれからも期待大だ。


